城端絹の起源は、今から約450年前の戦国時代末期に畑氏によって、城端地域で絹織物が始められたと伝えられています。
元禄六年(1693)の記録によると、城端の約半数の家が絹織物に関与していたと言われています。
当時は、南砺市福光地区の節のある玉糸をヨコ糸に、五箇山地区の生糸をタテ糸に使用した「しけ絹」が主な生産品目でした。
明治三十九年(1906)から羽二重や絽、紗などの製織が行われるようになり、絽と紗では全国生産量の30%を占めたこともありました。
現在でも富山県で「しけ絹」を製織しているのは弊社のみとなり、
しけ絹の他に、絽・紗・紋紗・斜子やシャトル織機を利用した特殊な織物も製織しております。
稀に二頭の蚕が協同で一つの繭を作ります。その繭からできる糸を 織り上げたものがしけ絹です。太さが不均一な玉糸で織りあげられた しけ絹は、全てが異なる美しい表情をつくります。
紗は、隣同士のタテ糸が捻じれる「絡み織り」と呼ばれる技法で織られています。均等に隙間のあいた軽い生地が特徴です。伊勢型紙の補強用の生地などとして用いられています。
紋紗は、紗に紋様を織り出した織物。弊社の紋紗は仏壇の扉や お寺のランプシェードなどに使用されています。
夏用の襦袢に使われる絽。 絽は、隣同士のタテ糸が捻じれる絡み織りと、平織が繰り返される技法で織られています。 絡み織りにより隙間ができることで通気性がよく、平織のきめ細やかさも混じり肌触りが良いのが特徴です。
通常、平織りタテ糸・ヨコ糸1本ずつが交互に交差しますが、 「斜子織り」とは、1本ずつではなく、2本以上の複数の束ねられた糸が 交互に交差する織り方です。太い糸を織るような風合いになり、隙間が多いため、 平織りよりも通気性の良い生地が出来上がるのが主な特徴です。
通常の着物や表具などに使われる織物以外にも、手織りの特性を生かし、
稲や楮などを織り込んだものなど、特殊な織物も作成しております。
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